Feb 19, 2012

ポピー バッグ 母の思い出、昭和の香り


母が生前に私にくれたバッグです。昔のビーズバッグです。私が子どもの時には、保護者は参観日にはきちんとスーツなどを着て出席していた記憶があります。けっして今みたいにジーンズやTシャツといった恰好のお母さん達が多い参観日ではありませんでした。カジュアルな恰好が悪いとは言えませんが、昔のほうが清潔な感じの女の人が多かったような気がします。服の種類も少なく、物自体も豊かではありませんでしたが、頭のいたくなるような色の氾濫はありませんでした。そこには自分の美意識を信じて時や場所に合わせた服を着る女のひとが存在していました。
昔の昭和の家庭の典型のような我が家でしたが、母は自分で縫ったスーツを着て白い短い手袋をしてよく外出していました。三人きょうだいの一番上だった私は、そんな昭和の女の人の姿をかすかに覚えています。そんな母が近所の人に勧められて買ったものがこのポピーバッグだったそうです。このバッグを持っていた母の端正な姿を覚えていた私は結婚する時に母にねだってこのバッグを譲りうけました。あまりたくさん物は入りませんが、観劇などお出かけの時にはまだまだ現役です。

意匠登録製法特許とバッグの内側に書いてあります。ポピーバッグは登録されていたんですね。特殊な製法でつけてあります。縫いつけた感じではありません。


持ち手の部分はオリジナルのままでは手に持っている時にビーズのあとが手に残ったり、またこのままでは長さも自分用のちょうどいい長さではなかったりしたので、黒い布地で補強し、ビーズ地のオリジナル部分はその上に縫いつけました。


 

もう何十年も前のものです。大事に使っていきたい宝物です。

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